BELLMARE 2002
ビーチバレー金メダル! vsインドネシア @プサン 02.10.04
今日はちょっと番外編である。サッカーではないという意味で。
でも、決して余談ではない。それどころかとても大事なことである。
今日、プサンのヘウンデビーチ(韓国有数の高級リゾート地)で行なわれたアジア大会男子ビーチバレーで、日本の白鳥・渡辺ペアが優勝を飾った。
第一セットはデュース、デュース、デュース…の大接戦で、かなりの苦戦を強いられたのだが、何度かあったピンチをしのいでこのセットをとった後は、実力で上回る彼らがインドネシア勢を圧倒。結局、セットカウント2対0で金メダルを獲得した。
ビーチバレーへの造詣と関心がお世辞にも深いとはいえない僕が、今回のアジア大会取材でプライオリティのかなり上位にビーチバレーを置いていたのは、言うまでもなく、彼らがベルマーレの選手だから。正確に言えば、白鳥・渡辺がNPO法人湘南ベルマーレスポーツクラブ所属だから、である。
でも注目していた理由はそれだけではない。彼ら――白鳥・渡辺と湘南ベルマーレの挑戦は、日本スポーツ界全体にとっても大きなチャレンジだと感じているからだ。
「NPO法人湘南ベルマーレスポーツクラブ」は今年4月に認可された。
その背景には、「親会社(フジタ)の撤退→経営難→チーム存続の危機」という苦い記憶と、いまも続く「財政難→経営難→将来への不安」という現実がある。
そんな過去と現状を抱えるベルマーレにとって「NPO」という、新しい概念に支えられたシステムは、(抜本的な解決策とまではいかないかもしれないが)、少なくとも突破口になるかもしれない。
そして、もしもベルマーレにとってそうだとすれば、それは他のJクラブ、さらには他競技のクラブや団体、組織にとっても、そうなるかもしれないということだ。
だからこそ「日本スポーツ界全体にとって興味深いテスト」だと僕は思っているし、もしかしたらこれは大きな転換点になるかも、とさえ予感している。
とはいえ、こうした挑戦はとても意義深いし、注目に値するのだけど、どうしても地味なのでメディアには取りあげられにくい。その意味でアジア大会というビッグイベントで、日の丸をつけて彼らが優勝したことは、ものすごく大きい。
例えば僕が「この挑戦はとても大切なことで取り上げる価値があると思うんですよ」とどこかの編集者に話したところで耳を傾けてもらえなくても、そこに「金メダル」のインパクトが加われば、話くらいは聞いてもらえるかもしれない。
そして、もしもメディア露出が増えれば、それによってこうした挑戦への認知度があがり、賛同者も増えるかもしれない。そうなれば、NPO法人の成否も当然いい方向に向かうことになる。
そんなわけで僕は今日の優勝をきっかけにいくつかの雑誌に「ベルマーレがさあ、アジア大会で金メダルをとったんだよね〜」と軽くジャブを繰り出してみた。残念ながらいまのところあまり反応は芳しくないのだが、「金メダル」まで獲ったのだからきっと僕が書かなくても誰かがこの貴重で壮大な挑戦、実験、について取り上げると思う。
トルシエではないが、「スターシステム」だけに則っていては、スポーツは消費されていくばかり。日本のメディアはそんなことに気づかないほどひどくはない。
それにしてもオープンエアの競技は本当に気持ちがいい。青い空と海、そして白い砂。おまけに地元韓国中学生たちが「ニッポンガンバレ!」と歓声を送り、すでに敗れた日本選手が日の丸を振って応援していて、ビーチバレー会場はとてもやさしかった。開放感と熱意のバランスがいいというか。
おまけに、そこでプレーしているのがベルマーレの選手で、スタンド最前列には湘南ベルマーレのユニホームを着た2人、真壁さんと遠藤さちえさんがいて、僕にとってはかなり心地いいビーチだった。
ちなみにベルマーレフロントの2人は、明日早朝にはプサンを発ち、午後からのホームゲームに直行するということ。
強行軍でお疲れさまです、と僕は慰めたけど、本当に本当のことを言えば、愛するチームがあり、志す夢があり、その中で働いている彼らのような人たちこそが一番幸福な人生を生きているのだと思う。
もちろん愛するチームを作り、志す夢を見出したのは彼ら自身。他人から与えられたものではない。
そしてサッカーであれ、スポーツであれ、NPOであれ、人生であれ、何であれ、幸福の条件は「そこ」にあるのだと思う。
ちなみに湘南ベルマーレスポーツクラブについてはホームページに詳しく出ています。

