BELLMARE 2002

 J1相手にほぼ圧勝   4対3 vsFC東京 @東京  02.12.15


 もしかしたら、とは期待していたし、チャンスはある、とも思っていた。
 が、しかし、J1相手にこれほどまでの勝利を挙げられるとは想像していなかった。だから嬉しい。というより勇気百倍である。

 やや大袈裟に言えば、圧勝だった。結果は確かに延長Vゴール勝ち。格下チームが起こした番狂わせと勘違いしやすい結果である。
 でも、この試合でベルマーレは明らかに勝っていた。このゲームだけに関していえば、もし万が一にもFC東京が勝ち、ベルマーレが敗れた場合にこそ、「これがサッカーさ」という深遠な悟り文句が適当なほどだった。
 それは原監督の試合後のコメント「相手に動き出しでも、1対1でも負けていた」からもわかる。敗軍の将が語ったとおり、ボールサイドでの寄せも、スペースへの動き出しも、パスのつながりも、ベルマーレの方が確かに上だった。

 それでも後半早々に同点、逆転を許したときには、僕だって「善戦空しく」も覚悟はしたのだった。ベルマーレがJ1相手にも十分やれる手応えはつかめたし、負けて悔しい試合もできた、だから結果が出なくても仕方ないかと。
 しかし、その直後に登場した「27番」によって、ゲームの流れはほぼ一方的なくらいにベルマーレに傾いたのだ。

 本当にこの日の加藤大志は素晴らしかった。
 東京の左サイド、藤山がかわいそうなくらいに、するするとドリブルで突破した。藤山が紀元前の選手で、加藤は紀元後の選手。それくらいの両者の足技には差があったにしても、本当になんで?と思うくらいに、あっさりと加藤は何度も抜けた。
 何度も抜き去られ、置き去りにされ、19歳の後ろ姿を見送ることになった藤山に同情したくなったほどだ。

 そして戸田。40分、FKの流れから時崎の折り返しにニヤであわせたヘディングゴール、67分に保のシュートをゴールまで落ち着いて決めた2点目。その他にもチャンスはたくさんあったけど、2得点、それも同点ゴール2発の勝負強さは、ストライカーとしての彼の未来を明るくするはず。
 来季、大きな期待をできる選手がこの時期に二人も登場した。いやあ、嬉しい。慢心など絶対にせずに、頑張ってほしい。

 3対3になった後は、右サイドからの加藤を中心に、左からも坂本(ポストを叩いた坂本のシュートが入って90分間でベルマーレの勝利が順当な内容だった)が何度もチャンスを作り、ゴールのチャンスもそれはそれはたくさんあったのだ。
 それを決めきれず、トドメを刺し損ねるベルマーレを見ながら、僕が心配していたのは「東京の一発にやられたらシャレにならないな」ということだったわけで、要するにそれほど内容的には圧倒していたということだ。

 その意味では延長103分の加藤のゴールは遅すぎたくらい。まったくはらはらさせやがって、てな感じ。
 でも、だからと言って腹が立つどころか、フィールドで大喜びする選手たちと、スタンドで飛び跳ねているサポーターたちを見ながら、本当に嬉しかった。この日の記者席はメディアの人数も少なかったから、僕も両手を挙げてガッツポーズしたりした
(付け加えれば、試合後、新聞記者や知人から「あの27番はいいねえ」と言われたのも何だか照れくさいほど嬉しかった)。

 とにかく、これで次戦4回戦では清水エスパルスと日本平で対戦することができる。J1チームと2試合も勝ち抜き戦を戦えるのだ。これは若いベルマーレにとっては相当に意味がある。
 さらに加藤というニューヒーローの出現。それもチームに活気を与えるだろう。このトーナメントだけではなく、同じように若くて、全国的に無名の選手たちにとってモチベーションになるはずだ。
 もちろん次戦はエスパルス…。ということは右サイドの攻防は今日とはまったく違う厳しさになる。山田代理監督が三都主の対面に誰を使うかはわからないけれど、試合のどこかで必ず出番があるだろう加藤がどれくらいできるか…などなど考えるのもまた楽しい。
 勝利や活躍選手が出るということは、こんなふうに試合観戦の楽しみが増えるということなわけで、本当にいいものだ。




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