BELLMARE 2003
いやあ…。でもこれもサッカー。 1対2 vs新潟 @平塚 03.4.20
キックオフ直後、リカルドが放ったシュートが新潟のゴールマウスを襲った時、思わずガッツポーズを仕掛けた僕は「あ〜」と天を仰いだ。
そして、この日の90分間はそんな「あ〜」の連続だった。
いやあ…。本当に惜しかった。
平塚競技場で見ていたお客さんは一体何度「入った!」「やった!」と叫びそうになったことだろう。何度、腰を浮かせ、ガッツポーズをし、そして天を仰いだことだろう。
ちなみに記録ではベルマーレの放ったシュートは16本。対して新潟は9本。
でも、試合内容はそれさえも大きく上回るほど、圧倒的にベルマーレの優勢だった。
決定機だけでも何度あったことか。全部とは言わない。せめてどこかで1本入っていれば…、山口のミドルシュートが決まるより前に、せめて1点だけでも決められていれば…。
大勝も夢ではなかった。可能性は十分にあった。
でも、This is Football. 残念ながら今日はベルマーレの日ではなかった。
ちなみに試合後、アルビレックスの反町監督は「前半は生きた心地がしなかった」と正直に言っていた。
それはそうだろう。ベルマーレは右から、中央から、左から、とほぼ一方的に攻めていたのだから。
この試合のベルマーレは、リカルドのポストプレー、ボールキープがまず抜群で、前線で起点がしっかり作れていた。
加えて動き出しが早く、サポートに入るタイミング、サポートの位置、さらにはボール保持者を追い越す動きも素晴らしかった。
選手の動きについてだけ言えば、短い距離での的確なポジションニングも、長い距離を走る動きも、どちらも見事だった。おまけに一度ボールを離した後の動き直しもサボらずにやっていた。
だからボールもアクティブだし、攻撃もアクティブだった。
またボールを奪われた瞬間にその場所からチェックが始まり、逆にボールを奪った瞬間には何人もの選手が駆け出していた。攻守の切り替えも素晴らしかったということ。
しかも、鈴木良和の右サイドが圧勝で、サイドから何度も際どいクロスが入り、そればかりかダイレクトパスをつないでのチャンスも何度も作った。
サミア監督が言っていた通り、足りなかったのは「ゴールの枠にボールを突き刺す選手がいなかった」だけだった。
もちろん、サッカーがチャンスを作るゲームではなく、ゴールを奪うゲームである以上、それはそれで問題なのだけど、あれだけいい形で、いいリズムで、いいテンポでチャンスを作ることができていたのだ。
これはもう「いやあ…」と苦笑しながら、「これもサッカーさ」とウインクするしかない。そして、それくらいの余裕もほしい。ナイスゲームだったのだから。
僕にとっては今季3試合目のベルマーレだったのだが、開幕戦も、そして今日も、試合内容は素晴らしかったと思う(2試合目は悪コンディションだったので何とも言えない)。
だからサミア監督のチーム作りも評価できると思う。確かに現時点では2勝5敗と負け越しているけど、長いシーズンを終えれば、きっとそれなりの結果が出ると信じている。
4回戦総当りとはそういうものだ。実力相応の結果が必ず出る。
だから、ベスト2に入れるかどうかはわからないにしても、上位につけることはできると思う。
いまの時点で気になることがあるとすれば、にもかかわらず、サミア監督がすでにナイーブになっていること。
トルシエもそうだったのだけど、会見でマスコミを通じて、フロントを牽制するような発言を彼もすでに始めている。
危機感の裏返しであることはわかるが、あんなふうに自らの立場に対して駆け引きをやることはないのだ。ましてここは日本代表ではないし、J2で、しかもベルマーレなのだ。
スタッフやフロントに対してそんなに疑心暗鬼になることはないよ…と誰か彼に言ってあげられないものだろうか。安心させてあげることはできないものか。
自らの立場への危機感が彼を不安にし、それが駆け引きとして言動に表れ、結果的にフロントや選手との溝を生む、という不幸な流れにだけはならないでほしいと僕は願う。
ま、こんなふうに懸念してしまう僕こそがナイーブに過ぎるのかもしれないけど(杞憂ならそれに越したことはない)。
とにかく負けはしたけれど、観客にとっても十分楽しめた試合だったことは間違いない。
勝ち点は本当に喉から手が出るくらいほしいけど、これから先が楽しみだと思える、いい試合だった。

