BELLMARE 2003

 惜しい、でも……沈黙。  1対1 vs横浜  @平塚  03.6.18

 山田監督になってからの4試合目。
 ここまではすべて引き分け。はじめの2試合はスコアレスドローで、前節ではようやく得点を挙げて1対1で引き分けた(井原のゴール)。
 ベルマーレにとっては実に1ヶ月ぶりのゴールだった。これはもちろん今日のゲームに向けてのポジティブな要因。さらに言えば、今日の対戦相手は横浜FCだし…。
 というわけで、新監督になっての初勝利、チームにとっても久々の白星、サポーター、スタッフにとってようやくの美酒…が期待されるゲームだった。
 期待される、なんて他人事ではなく、僕自身「今日はきっと…」と確信しながら平塚へ向かったのだ。

 ところが――。
 立ち上がりから緩い。鈍い。湿度が高く、プレーしにくいコンディションだったかもしれない。でもベルマーレも横浜FCもアックションもリアクションも鈍くて、攻守の切り換えも遅かった。
 正直導入部はがっかりした。

 おまけに、前半39分、CKからパラシオスがヘッド。ポスト……。
 さらにそのこぼれ球のシュートも…。
 入らない。ゴールに嫌われているとしか言いようがない。
 そんなわけで前半は決定機の数では上回ったものの、0対0のまま終了。
 ただゴール云々以前に、両チームともテンションが一定せず、ミスが多く、簡単にボールを失う場面が多かった。

 後半。5分、坂本のクロスが流れてゴールマウスへ…。入るか!と思ったが、やっぱりバー。
 これだけ入らないと何だか力ない笑いが漏れてしまう。苦笑するしかない。たまにはラッキーがあってもいいじゃないかと恨めしく思うのだが、そううまくはいかない。

 そして12分。失点。
 コーナーキックから真中に折り返されて、山尾に決められた。
 ラインズマンが旗を揚げていたのでスタジアムが騒然とした。おまけにレフリーも何だか自信なさげなはっきりしないジャッジをしたので、余計に選手もスタンドも気持ちが泡立った(オフサイで旗を揚げたのだが、ボールサイドでは何も問題なかった。GKの前に横浜の選手が一人立っていたので、それに対するジャッジだったのだと思う)。

 そんなゴタゴタですっかり霞んでしまったが、しかし失点はむしろベルマーレのミスによるものだったと思う。あのコーナーキックの直前に、ベンチは定石を破ってしまっていた。
 井原と北出の交代。コーナーキック時でのDFの交代だった。
 しかも真中には前半もコーナーキックから決定的なヘディングを許していた。手厳しいことを言えば、ディテールを軽視してしまった采配に対する、当然のしっぺ返しだったと思う。
 細心さを欠いても勝てるような状況ではない、ということ選手もベンチも肝に銘じるべきだと思う。

 さらに細かいことを言えば、失点の後、選手もスタンドも、スタジアム中の血がたぎりかけているところでも、ベンチは選手交代をした。
 交代自体は的を射たものだったと思う。でも、ぐっと盛り上がりかけていたムードをあの交代のインターバルは冷ましてしまった。
 チームを作ることや戦術を施すことに長けている指導者と、名監督、名指揮官は似て非なるものだと思う。残念ながら、素晴らしい指導者=名将ではない、ということを改めて感じる瞬間だった。

 それでも1点のアヘッドを追って、この後選手もベンチも、いわゆる「戦う姿勢」を見せた。加藤を投入し、戸田を起用し、リスタートを急ぎ、前へ前へと攻撃を仕掛けた。
 そんな中で40分。保の折り返しを戸田がヘディングで決めて同点においつく。
 保はその前にも壁パスで抜け出し、倒れながら放ったシュートがポストに当たる不運があったが、それでも懸命にゴールを目指していた。
 戸田のヘディングも最初ポストに当たり、その瞬間、あ〜またか…と天を仰ぎかけたが、ボールは内側に転がりこんだ。
 選手もベンチもサポーターも、みんなが何とか点を取りたい、負けたくない、勝ちたい、という気持ちが乗り移ったゴールのようだった。

 さらに終了間際、坂本のFKからパラシオスが足を伸ばし、辛うじて当てたボールがゴールマウスへ…。
 しかし、またもやポスト。今度は外側に弾む。
 惜しかった。劇的な逆転ゴールが生まれて、平塚競技場が歓喜の渦に…となってもおかしくない流れだっただけに本当に惜しかった。

 そしてタイムアップ。
 情けないことに、放心状態で笛を聞いてしまった。悔しさもあったし、納得もあったし、結局落胆で。

 ただやっぱり「まだまだ」だと思う。
 選手交代の機微だけでなく、局面局面でのプレーにも足りないものがたくさんあった。
 FKでパラシオスが上がっているというのに、後ろでショートパスをつなぎ、結局前線にボールを送れないなんて信じられない場面もあった。
 それでも、がむしゃらに勝利を求める姿勢があるからいい……という納得の仕方をするしかないあたりが、いまのチーム力なのだと諦観して試合後は無言になってしまった。





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