BELLMARE 2003
呂比須登場! しかし…。 0対2 vs札幌 @平塚 03.7.19
この日はアロハナイト、そして呂比須ワグナーがスタジアムに訪れていた。
呂比須がベルマーレに在籍したのは97年と98年の2シーズン。ある意味、ベルマーレが(順位はともかく)もっとも強く、ネームバリューのある選手が揃っていた時期だった。もう少し長い目で見れば、Jリーグ昇格時の若く魅力的だが、経験不足の選手たちが成長し、ひとつの完成形を作り上げた時期でもあった。
97年にはワールドカップ予選があり、98年にはワールドカップがあった。そのいずれもで中田をはじめベルマーレの選手たちは大きな存在感を示していたし、呂比須も帰化が実現し、日本代表入りを果たしたのがこの時期だった。
彼個人にとっても日本での苦労が報われ、絶頂期にあったといってもいい(彼自身「ベルマーレにいた2年間が僕のサッカー人生の中で最高の時期だった」と言っていた)。
そして彼はとてもチーム思いで、チームメイト思いの選手だった。もちろん日本思いで、サッカー思いでもあった。
そんな彼の目に今日のゲームがどう映っただろうか、と考え、僕の心は曇る。
今日の(いまの)ベルマーレにはスピードがない。プレーのスピードも、判断のスピードもない。
シュートを打たない。だから相手に怖れを与えない。
とにかく全体的にアクションが鈍いから、ゲームが躍動しない。
「エンターテイメントサッカー」というキャッチフレーズにはそもそも無理があったが(このキャッチフレーズが似合うのはレアルなど一部のクラブだけだ)、それにしたって今日のようなゲームはまさにその対極にあると言いたくなってしまう。
とにかく前半は(ベルマーレだけでなく、1点奪ったコンサドーレも)パスがつなげる状態ではなく、身を乗り出すシーンがほとんどないまま過ぎてしまった。
ベルマーレがようやくチャンスらしきものを作れるようになったのは、後半15分、加藤が入ってから。(たぶん)馴れない左サイドでも、また本職の右サイドに移ってからはさらに、彼はことごとくDFを抜き去り、クロスを入れた。
でも、それだけだった。ベルマーレの選手たちは集中力のないパスやクリアを繰り返す。ロスタイムに入ってビッグチャンスを作ったが、90分を通して試合を眺めれば最後に帳尻を合わせようとしただけというか、土壇場になってようやくケツに火がついたというか。
いずれにしても試合の方は、70分に2点目を許した時点で万事休すだった。
大志があれだけ確実にチャンスを作れるのなら彼を生かすとか、ほとんど存在感を示せなかった熊林の持ち味をどう発揮させるかとか、とにかくもう少し目的をしっかり持つことが必要なのではないか。
そして、それをぼんやりとでもいいから、見ている僕らに感じさせる動きを11人でしてほしいと思う。
試合後、山田監督は「コンディションは狙い通りに整えられた。あとは精神的な部分」と言っていたが、いかにお金がないといっても、若いといっても、低迷しているといっても、彼らはプロの選手たちなのだ。
モチベーションとかメンタルとかいえば随分高尚に聞こえるが、要するにやる気であり、意欲であり、闘争心なのである。そんなもの自分で何とかするのが当然だ。それどころかそんなことを自分で何とかできない者が、プロスポーツ選手をやっていること自体が疑問でもある。
(Jリーグが日本スポーツ界にもたらした大きな変化のひとつは「言葉革命」だと僕は思っているが、やたらと横文字(和製英語も多いけど)を並べることで、何となく免罪されてしまうのは功罪の「罪」の部分だと言わざるを得ない)。
とにかく下位に低迷し、その責任をとって自分たちのボスが辞任し、しかも現在も黒星が続いているというのに、「メンタルが…」なんて言い訳で甘やかしていていいとは僕にはどうにも思えないのだが。
厳しいことを言えば(ここまででも十分厳しいという意見もあるだろうが)、J1・J2合わせて28クラブを満たせるだけの「プロサッカー選手」がいないということであり、それが「プロ未満の選手」たちの存在を許しているということなのではないだろうか…なんてことまで思ってしまった。
少なくとも呂比須であったならば、チームメイトにもレフリーにもプレスにも怒りまくっていたに違いない、とも。