BELLMARE 2003
[取材ノートからI]
2003年11月15日・平塚競技場 ベルマーレ2対2フロンターレ
この2003年、ベルマーレは勝負をかけていた。前年の5位という結果を自信に、「昇格」という目標を堂々と掲げて勝負に出たのである。
しかし、シーズン序盤で夢はついえる。開幕からわずか2ヶ月、黒星を重ねたチームは最下位に沈み、外国人指揮官はクラブを去った。結局この年、ベルマーレは過去最低の10位に終わる。
ホーム最終戦となったこの試合、自らにとっての大一番になることを夢想していたこの試合、そして喜びを分かち合えると信じていたこの試合、しかし昇格を争っていたのは対戦相手の川崎フロンターレの方だった。夢の輪郭がはっきりしていたからこそ、失望も大きかった。
勝負はいつも勝つか負けるかである。いつも勝てるわけではないし、いつも負けるわけでもない。そのくせ「勝ち」か「負け」かをはっきりと思い知らされる。
でも、だからこそ楽しいのだ。楽ではないけど楽しいのだ。流した汗が、費やした時間が、詰め込んだ思いが、多くて長くて重いほど楽しいのだ。
かつて勝負をすることもできないチームがあった。どんな形の夢を描けばいいのかさえわからないクラブがあった。
しかし4年後、チームとクラブは堂々と夢を示し、勝負をかけた。しかも、そこには同じ夢をみて、共に勝負に挑む人々がたくさんいた。
喜んでくれる仲間だけでない。一緒に悔しがる人々がこんなにたくさんいたのだ。
もしもベルマーレを信じる理由を誰かに問われれば、僕はその一点を語る。テレビで安売りされている感動ではない、本物を知る人々がここにはこんなにいるからだ、と。
2003年、ベルマーレは勝負の高揚と悔しさを知り、そして負けた。だから、そう、だからこそ明日からはもっと楽しめる。
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今年ベルマーレはJ10年目を迎えました。この機会にベルマーレの「あの時」を振り返っておこうと思い、過去の取材ノートを引っ張り出してみました。今後も不定期で綴っていくつもりです。
なお本稿は「ベルマーレホームタウン新聞」に掲載されたものです。