BELLMARE 2004

 ベルマーレOBvsマリノスOB@平塚   04.11.21


 Pカンの青空の下、ベルマーレOBとマリノスOBによるフレンドリーマッチが行われた。豪華な顔ぶれが揃った。
 ベルマーレのスタメンは以下の通り。後半には左サイドバックに都並、中盤に渡辺、FWに大本、GKに廣石が入った。
 マリノスの方も井原、鈴木(正治&健仁)、神野といったJ世代の選手たち、さらに木村和司、金田喜稔といった日産の黄金時代を築いたスーパースターが参加。30分ハーフ、交代自由で和気あいあいと楽しいゲームだった。

     高田哲
                 平塚
           エジソン                
      山本            呂比須

 古島 

      信藤            阿部
           松川
                 森
      公文

 とにかく懐かしい顔が揃った。試合前にロッカールームへ赴いたら、公文がいて松川がいてエジソンがいて山本富士雄がいた。ちょっと照れてしまうくらいに嬉しかった。
 都並さんや森さん、信藤さんといった年上のみなさんに挨拶して、ちょっと雑談して記者席へ上がった。OB戦だというのに(そして前夜またしても敗戦したというのに)スタンドは活況だった。平塚競技場は公式戦のときもピリピリしているわけではないけど、今日はそれ以上に和やかなムードで、好天ともあいまって、僕もすっかりリラックスして試合を観戦した。

 現在ユースのコーチをしている平塚次郎は反則だった。スピードもキレもスタミナも抜けていた。マリノスでは井原が辛うじて瀬戸際で踏ん張っていた。
 エジソンと松川も当時を彷彿させるプレーだった。エジソンは相変わらず気が利いていて、そればかりかスキルは衰えないということを証明していた。松川は現役時代からそうであったように、飄々と走り、パスを出し、攻め上がっていた。プレースタイルは人生観みたいなものだなぁなんて一人ごちた。
 後半から登場した都並さんも真面目で誠実な性格そのままにステディにプレーしていた。そんな様子を見ながら、もしも松川が都並さんのような性格だったら、もっと高いところまで昇れて、もっと長い間プレーできたかもしれないなと思ったりもした。でも、執着心を感じさせない、涼しげな彼の姿が僕は好きだった。

 マリノスでは和司さんがボールを持つたびに神野が裏を狙って走り、そこに和司さんがスルーパスを出した。でもスルーパスはほとんどゴールラインを割った。神野が遅いのか、和司さんのパスが強いのかは微妙だったが、それでもそんなプレーを繰り返す彼らに無性に愛を感じた。金田さんはさすがに遅くなっていた。ハーフタイムに対面の公文に「ちょっと抜かせてやれよ」と言ったほどだった。それでも2,3度瞬間的なスピードが見れて嬉しかった。

 プレスでは当時もいまも平塚に来れば必ず会うSCNの水川さんや実樹ちゃんはもちろん、いまは担当をはずれている神奈川新聞の岡部さんの顔もあった。いつかまたこういう機会(それもベルマーレの主催によるこういうイベント)を行う機会があったら、Jリーグ入りから関わってきた専門誌とかスポーツ紙の担当者を呼んだらきっともっと意義深いイベントになると思う。
 それは報道陣にかかわらず、クラブのスタッフとかサポートしてきた人々(バスの運転手とかガードマンとかボランティアとか)、昔シーズンチケットを買ってくれていていまは足が遠のいているサポーターとか、そんな人たちにも声をかけるともっとハートウォーミングなスタジアムになると思う。

 残念だったのは試合中のMC。都並さん、清水さんら話し上手なOBたちがゲストになって楽しいトークが繰り広げられたのだけど、聞き手に知識の蓄積がなかったので、どこか話が噛み合ってなかった。それぞれのOBたちの現役時代についても、その頃のベルマーレやマリノスについても同時代的経験を持っていないように見受けられた。OB戦を見に来ている観客の多くは、当然当時を知る人たちで、懐かしさを抱きながらスタジアムにやってきているのだから、その意味ではミスキャストだったと思う。
 最近テレビなどで頻繁に起きるこの手の現象(聞き手が視聴者よりも知識がない。話のポイントも笑うところも感心するところもズレる)のストレスを多少感じたのは残念だった。




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