COLUMN


 世紀の尾根にて。(01.1.1)

  サザンの年越しライブを見ながら、つらつらと書いております。サザンの前はレコード大賞&紅白。何だか時代遅れの定番っぽいところが我ながら情けないですが、定番、あるいは恒例、というものの偉大さがこの年齢になって初めてわかってきたような気もします。

 この年齢、私、明後日3日で36歳です。「もうちっとしっかりしろよ」という周囲の声には、「そんなこと言われなくてもわかってるよ!」と逆ギレしつつ、このペースで人生全部を遊び倒せればかなりの贅沢者と開き直りながら、これからも、いやこれからはますます自分らしく生きていく所存。
 無論そんな贅沢者になるためには、みなさんの温かい眼差しに包まれていることが必須条件なわけで、身近な方々はもちろん、やや疎遠な方々、まだ出会っていない方々まで、何卒今年もよろしくお願いします。あっ、大事な定番を忘れてました。

 あけましておめでとうございます。
 今年もよろしくお願い致します。

 さて「世紀の尾根にて」なんて大仰なタイトルがついていますが、前世紀にしたって終盤の35年間を過ごしたに過ぎず、新世紀も想像するに、ハーフタイムまでプレーし続けられるかどうか甚だ疑問なわけで。とりあえずはここ数年間よろしくお願いできれば幸いです。

 話を戻しますが、前世紀末から記者、フリーライター、スポーツライターなどなどの肩書で、取材と文章を書くことを生業としている私にとって最大の関心事は、メディアの変質です。言うまでもなくインターネット、メールに代表される新しい媒体(ニューメディア。そのままですね)のことです。
 といっても新しいメディアにどう追いすがって生計を立てていくかという生臭い問題ではなくて(もちろんそれだって僕にとっては大切なことのはずなんですが)、そうした新しいコミュニケーション・ツールが人々をどう変えていくか、あるいは人々をよい方向に導いていくためにはどうしていくべきか、というテーマです。

 随分昔、洞窟で初めて人類が火を起こした瞬間、大英帝国で産業革命の火が灯された瞬間、もっとミクロにみれば、電話が家庭に初めて入り込んだ時、携帯電話を誰もが手にするようになった時…。そんな時々に、僕たちは知らず知らずのうちにきっと変わってきたはず。では…というあたりですね。

 裏話をすると、今から7、8年前に僕にそうした予言的な啓示を与えてくれた人がいました。元NHK会長の島桂次氏でした。あの頃、僕はまだPCすら使ったことがなく、インターネットの知識など毛頭なく、だから彼の言葉をきちんと受け止めることができませんでした。先日、当時のインタビューテープを再聴して、島氏の問題提起がいかに鋭く、先見性に富んだものであったかに、ようやく気づいた始末です。
 きっといまごろ島氏には天国で笑われているだろうな…と改めて自分の愚かさに嫌気がさしながらも、馬鹿でも、失敗しても、傷ついても、気づいたところから、もう一度きちんと考えて、やり直すのが、僕の流儀だということで、反省を胸に、いまから僕なりにしっかり捉え直してみたいと思っています。

 話変わって、馬鹿でも、失敗しても、傷ついても…の続き。
 さすがにこの年齢まで生きると、またフツウじゃない人生を過ごしていると(フツウの人生って何だ?という反論は重々承知の上で、最近僕の回顧談を聞く人すべてが「フツウじゃないね」とコメントするので、あえて)、嬉しいことや楽しいことやハートウォーミングなことが多い反面、嫌なことや面倒臭いことや切ないことも多いもので、僕の心は実はボロボロです。
 でも、去年くらいになってようやく本当に本当の意味でわかったことは、ボロボロだろうが、キラキラだろうが、ズルズルだろうが、とにかくそれを抱えたまま、生きていくしかないということ。
 すねることなく、見て見ぬふりすることなく、不感症のふりをすることなく、それらみんなを受け入れて、それでもやっぱり明日からも生きていくしかないのだなあ、それが人生というものなのだなあ、なんてことが、この年齢になってようやくわかったわけで、私も少しは大人になってきたということでしょうか。

 もっとも僕の場合は、底はそれなりに深いのですが、器がとっても小さい人間なので、ハッピーな時はとっても調子に乗っていて、辛い時にはドツボまで落ち込んでしまう人間性。そのあたりのことも俺はそうなんだからしょうがない、と最近開き直り気味なので、特に身近な人々にはこれからもご迷惑をかけることになると思いますが、何卒ご勘弁を。どうか広くおおらかな心で、許してください。

 そんなわけで、とってもわがまま的な立場で言えば、みなさんがいて初めて僕が存在できるというのが紛れもない真実です。
 具体的に言えば、現在取り組んでいるスポーツポータルサイト。チームのみんな、お金を集めてくれる会社のみなさん、煮詰まった頭を冷やしてくれる雑談の相手のみなさま、何より僕のことを信頼してくれる大親友かつ尊敬する彼。そんなみなさんがいて初めて渋谷で毎日が過ごせてます。どうか今年もよろしく。
 さらに私に原稿の依頼をしてくれる編集者のみなさん。すでにお気づきの通り、私の原稿はとっても自分本意です。頭で考えるより、胸で感じたことを優先させてしまいます。でも、これからもそんな原稿をどんどん書かせてください。よろしくお願いします。

 その代わり、と言っては何ですが、そんな周囲のすべての人々と、それから同じ時代に生き、同じ空気を吸っている人々と、一緒に、ハッピーになれるよう僕も頑張るつもり。あえて言えば、このあたりが僕の21世紀の根本目標でしょうか。
 そうそう、いま僕の周りには、新たなチャレンジをしようとしている人がいます。引越をして心機一転しようという人もいます。これまでしてきた努力をさらに続けて夢を叶えようという人もいます。そんなすべての人に心からエールを送ります。お互い頑張ろうぜ。

 世紀が改まってもつらつらと雑談調は相変わらずですが、今年もこのコラムはこの調子で続けていくつもりです。このホームページについては、1年弱で1万件というアクセスが多いのか少ないのかなんて全く興味の外。時折頂く本当に本当の心の通い合ったメールだけが、唯一の指標です。その意味では、やってよかったと、僕はとっても嬉しいです。

 テレビに目を移せば、サザンも「勝手にシンドバッド」に突入。そろそろエンディングが近づいているようです。明日は天皇杯決勝。例年のように、仕事仲間のみなさんと会って、新年の挨拶をして、飲みに行くことになります。そんな恒例が何だかとってもハッピーに思える大晦日の川端でした。

 末筆になりましたが、みなさまの御健康と御多幸をお祈りしつつ、世紀の尾根を越えたいと思います。
 今までありがとうございました。これからもよろしくお願いします。
STAY DREAM…