COLUMN

 [日本代表ツアー2002@]
 菜の花とうなぎと鯨〜鹿児島       02.1.27



 2泊3日で鹿児島へ行ってきた。2002年、日本代表のスタートを見に。
 合宿の詳しいことは、どこかで書くはずの原稿で触れるが、とりあえず練習は大部分が非公開。公開となった3度のうち、最初は体力テスト(インターバル走)、2度目はパターン練習(ボール回し&シュート)。見どころは最終日の紅白戦だけだった。
 紅白戦は3チームに分けて、変則の20分×3本。いわゆる流れのなかでのゴールは0で、1本のPKを鈴木、柳沢、三都主が決めただけだった。

 もちろんその他にも見どころはあったのだが、いずれにしても海外組、つまり中田英と稲本、小野、高原、広山がいないチームでは、「とりあえず感」が見ている方にもどうしても残って、本当の意味での「チーム」を考える意味では、やはりいま一つリアリティが欠けるというのが正直なところ。
 そんなわけで当分は「メンバー争い」が選手間でも、マスコミでも、メインテーマとなりそう。前回はカズ、北沢が最終局面でメンバー落ちするというショッキングな選考となったが、今回はさて。

 選手の話も、やはりメンバー争いに関することに収斂しがちだったが、それでもどの選手も、もやもやせずに、あっさりと直言しているあたり、日本の選手もたくましくなったなあと思います。聞き手の記者たちも、以前よりは奥歯にはさまったものが小さくなったような気もしたし。
 ナイーブからタフへと、ここ2大会の経験で日本サッカー界全体がなってきた証だとすれば、よいことだとは思うのだが。

 それにしてもホテルの敷地内、それもかなり内側にあるグランドで、おまけにサポーターなどは一切敷地内に入れない上に、ホテルとグランドの間には約30メートル置きで監視員がつき、グランドの周囲にも幕をはって、完全に目隠しをする厳戒体制が、今回の合宿では敷かれていた。
 集中したいから非公開はわかるが、この時期の合宿にそこまでの体制をとる必要があるのだろうかと僕には少々疑問だった。

 宿の関係で、代表合宿が行われている指宿ではなく、鹿児島のホテルに宿泊していたので、毎日レンタカーを運転して1時間強を往復した。
 でもおかげで錦江湾を望めたり、合間にちょっと足を伸ばしたりもできた。

 随分前にイッシーで名を馳せた池田湖では「大うなぎ」を見た。最長は160センチくらい。写真では198センチの大物も見た(思わず蒲焼にしたら何人分かなあ?なんて考えたのだが、食用ではないとのこと。というより天然記念物なので食べてはいけない)
 そして開聞岳の麓の絶景。指宿のキャンプ地そばにも広がっていた菜の花畑。一面黄色のお花畑は、なかなか素敵で思わず写真を撮りたくなるほどだった。もっとも同行者は男ばかりなので、さすがに「菜の花をバックに」という気にはならなかったけど。

 最終日の紅白戦を取材した後は、飛行機までの時間があったので、思い切って足を伸ばして、薩摩半島の反対側の大浦町・小湊海岸の鯨が打ち上げられた現場まで行った。
 ニュースでご存知の通り、13頭の鯨が、まさにひしめきあうように浮いていて、最初に目に飛び込んできたときは、やはり多少は悲壮感を感じてしまった。

 でも、しばらくすると、目の前の光景にも馴れてくるから不思議だった。特に地元の人たちの大らかな反応――子供を連れてきて「ほら見てごらん、あれが鯨だよ。大きいね」――に、僕たちが陥っている必要以上の、あるいは理屈っぽいモラルらしきものへの疑いを強めた次第。
 不謹慎だとか、残酷だとか、テレビ画面を見ながらのたまっている知識人・文化人・文明人よりも、現場で「うわーっでっかい」とか「臭いなあ」とか言ってる方が、僕はよっぽど信用できる気がしたのだった。
 僕個人としては、せっかく近くにいるのだから、現場を見て自分で感じたいとわざわざ足を伸ばしたわけで、十分にその価値があったなと思う。

            *      *
 そんなこんなで、今年一発目の日本代表取材旅行の感想ずらずら、でした。
 昨年、パリからスタートし、スペイン、新潟、鹿嶋、横浜、札幌、大分、静岡、ランス、サザンプトン、さいたまと、取材紀行が続いたように、今年もあちこち行くことになると思うので、その雑感記をこのコラムで今後も少々アウトプットしようと思っています。
 ちなみに次の遠征は、3月のポーランドになる予定。



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