COLUMN

 [W杯旅日記 9]   福岡−大分−大阪−東京       02.6.15

 いま6月15日、深夜12時すぎです。自宅@東京にいます。
 昨晩夜中に東京へ帰ってきました。長居スタジアムから新大阪へのメディアバスが渋滞に巻き込まれてしまって、最終の新幹線に文字通り「駆け込み乗車」する綱渡りでしたけど。

 今日は新潟行きを回避して、うちに一日いました。おかげでテレビで2試合とも見ることができた。新潟はなかなかいい雰囲気に見えたので、ちょっと後悔したりした。
 それでも開幕して以来初めて、僕がうちにいるので、マンちゃん(猫です)も、(たぶん、いやきっと)喜んでいた(はず)なので、まあ、いい一日だったということで。

 ちなみに長居から福岡を経由して、大分へ行った後、再び福岡を経由して、長居へ戻って、日本のグループリーグ突破を見た。
 試合自体はさほど面白いものではなかったけど、日本が「引き分け以上でOK」という試合をあんなふうにできるのだから、すごいなあと思いながら見ていた。
 グループリーグ最終戦に入ってから、ナイジェリアvsイングランドも、イタリアvsメキシコも、勝ち点計算をしながらの試合だったが、そこにスペクタルがなくても、僕には十分楽しめた。
 特に大分で見たメキシコは、完璧な試合で、ロスタイムの4分間、ただバックラインでパスを回すだけで終わらせた厚顔さまで含めて、すっかりファンになってしまった。

 さてグループリーグが終わり、今日から決勝トーナメント。
 僕自身の中間決算をすれば、開幕戦から14試合を観戦。そのうち日本で9試合、韓国で5試合を見た。
 いくつかのトラブルや、予想以上のハードさはあったが、それでも「旅」という点については、ここまでは順調。
「旅」の中の「出会い」という部分に関しては、少し物足りなさもあるが、深くはないが、小さな出会いをたくさんしてきた。

 経費(お金)的には、ここまでいくら遣っているのか、もはや全く見当がつかない。本当は毎日きちんきちんとエクセルに書き込んでいくつもりだったのだが、とてもとてもそんな余裕はなかった。
 でも、相当に贅沢な「旅」をしていると感じているので、まあ収支のことは後でいいと思っています。

 今日はずっとうちにいて、テレビを見たり、原稿を書いたり、雑用をしたりしていたので、他に書くことがないので、楽屋話になるが、報道としてワールドカップを旅して感じた雑感(本当に雑感)をいくつか。

 まずプレスのシステムを簡単に説明すると、日本国内での競争を突破して無事ADカードを取得できた僕たちは、スタジアムと、その中にあるプレスセンター(SMC=Stadium Media Center)まではとりあえず入ることができる。

 その先、つまりスタンドの一部にある記者席に行くためには、ADカードだけではダメで、プレスシートチケットが必要になる。
 そのチケットも、大抵の試合では問題なく取得できるのだが、その試合を取材に来る人が多い場合は、制限される。
 制限というのは、つまり選別されるということ。この選別の基準(FIFAの基準)として、僕のようなフリーランスはかなり下位にいる。それでも、だいたいのところ希望試合を見ることができてはいるが、机付きの席と、ノンデスクの席があって、当然プライオリティの低い僕たちは、ノンデスクに回されることが多い。

 それから無事試合を取材できたとしても、試合後の選手に取材するためにはミックスゾーンチケットが必要になる。こちらの方は、プレスシートチケットよりも、さらに競争率が高く、僕のようなフリーランスには(日本戦以外)まず回ってこない。

 …などなど報道の舞台裏でのエピソードについて書こうと思っていたら、結局、「フリーにとっての」になってしまった(おまけに何だか愚痴っぽい)。
 何はともあれ、とどのつまり、新聞や雑誌などの方々と、フリーランスでは同じワールドカップでも、見えてくるもの、感じるものが違ってくる、ということ。もちろん、サポーターのみなさんともきっと違うだろうし。
 まあ、あえて言えば、僕たちは、たぶん両者の間くらいに位置しているのではないかと思う。お金や雑用という点で、サポーターと僕たちは少し似ているから。

 そう言えば、いままさにワールドカップ真っ盛りだというのに、この秋にプサンで行なわれるアジア大会の取材申請が始まり、そして昨日締め切りになったのだが、毎日あちこちへ出掛けている僕たちには、申請書をJOCに取りにいって、それを提出する余裕が、時間的にも地理的にもなかった(会社だったら誰かが代わりにやってくれたりするするのかもしれないけど)。
 こういう時に持つべきは「友」ということになる。僕も、知人の編集者に(普段とは少し違う丁重な口調で)お願いして、何とか事なきを得た(はず)。やっぱり、普段からの人間関係は重要ですね。

 それにしても、なんでこんな時期に…と仲間内では相当不満な声があがった。よりによってワールドカップ期間中に締め切らなくてもいいじゃないかと。
 でも考えてみたら、プサンも、札幌や茨城と同じように、すでに「お役御免」になっているべニューだった。
 プサンのスポーツ界は、すでにアジア大会モードということなのかもしれない。そう言えば、プサンのあちこちにアジア大会用の新たな施設が建設されていた。ちなみに韓国がポーランドを破ったスタジアムが、アジア大会のメイン会場になります。

 あと、どうでもいいことだが、記者席にあるTVモニター。
 いくつかチャンネルがあって、スタジアム内用の映像がいくつかあって、あとスカパーの映像も映る。
 でもって気がつかないでスカパーのチャンネルになっていると、目の前のピッチを見て「あっ」と息を呑んで、次の瞬間、TVモニターに目をやると、ちょうど同じ場面が映し出される。
 はじめ「ん?」と思っていたのだが、考えてみれば、スカパーは宇宙の果ての衛星を一度経由している分、約2秒くらい遅れるのだった。
 この2秒のタイムラグが面白いなあと僕は思ったので。本当にどうでもいいことですが。

 というわけで明日は大分です。



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