COLUMN

 [W杯旅日記 11]    宮城−森町        02.6.19

 いま6月19日、深夜2時ごろです。
 昨晩、日本代表のワールドカップラストマッチを宮城スタジアムで見届けた後、深夜に帰宅。今日は朝から森町(静岡県)にあるJAMPS(日本代表のキャンプ地に設けられたメディアセンターです)へ行ってきました。
 トルシエ監督はじめ、選手たちの会見があったのですが、思うところ、感じるところ、腹立たしいこと、多々ありではありましたが、それはまたいつか。

 仙台へは大阪から飛行機で行った。機内にはサッカー関係者の顔がずらり。
 そこまではよかったのだが、宮城スタジアムに着いたら、僕の申請が届いていなくて、結局「ウエイティング」ということになったしまった。僕に限らず、かなりの人がリストから漏れていて、日本の試合を取材に来たにもかかわらず、日本人プレスが大勢、取材できないかもしれないという事態になってしまった。

 結果的に、僕はプレスシートチケットもミックスゾーンチケットも獲得できたので、よかったのだけど、それにしてもストレスは多い。

<その1> JAWOC担当者の横柄な態度。仕事熱心なのはわかるが、別に偉いわけでも何でもないことに彼女は気づいていない。
 おまけに偉そうな分、仕事ができればいいのだが、残念ながらそうではない。できないどころか、すぐにキレたりしてしまう人を、ああいうポジションにつけてしあむのは、明らかにミスキャスト。
 しかも、どうにもならなくなると「FIFAが決めたことで私にはわかりません」と逃げてしまう。事実、「FIFA」が決めたことなのだが、散々な態度をとったあげくに、あんなことを言ってしまうくらいなら、そもそも彼女は必要ない…などなど、以下省略。

<その2> 僕のようなフリーランスと、例えば新聞などとの意識のギャップ。僕らはチケットがもらえなければ、まったく取材ができないが、例えば新聞はすでに何枚ももっているにもかかわらず、「もっと」だとか「机つきを」と、さほどの思いいれもなくリクエストする。
 おかげで、試合が見れるかどうかの瀬戸際の僕らと、彼ら彼女たちが入り混じってしまって、事態がうまく収まらない。
 何より腹が立つのは「さほどの思いいれのなさ」。もちろん、彼ら彼女たちと、僕とでは、立場と環境が違うのだから仕方ないが、それにしても「よくわからない」ことで、僕らの腹を据えて喧嘩してでも、という思いを薄めないでほしい。

 その他にも宮城ではいくつかのストレスがあったが、それはもうやめ。
 でも、もちろんいいこと、楽しいこともたくさんあった。牛たんもうまかったし、タクシーの運転手さんも感じよかった。
 でも、なあ、やっぱり何より、あの試合じゃあなぁ…。

 仙台からの帰りの新幹線は、ドイツ人ジャーナリストとイングランド人サポーターと話しながら帰った。おかげでなかなか面白い話もきけた。
「スタジアムはベリーグッドだけど、街にはサッカーはないね。東京にいると、ワールドカップを感じない。スタジアムはどこも素晴らしいが、駅とか、街中から、どこも1時間くらいかかり、やっぱり街に溶け込んでいない。サッカーが街や人の一部ではなく、切り離された場所にブームとしてあるようだ。
 それに日本代表チームのサッカー自体も、あまりいいものではなかったね。僕は今日初めて見たのだけど」
「組織はどちらも素晴らしいけど、日本の運営をしている人は真面目だけど、サッカーとワールドカップを知らない。そこは問題だな」などなど。

 そんなわけで、日本代表がトルコ代表に敗れた夜は、12時前に東京駅着。
 知人と「ちょっとだけ」と約束して、歌舞伎町で本当に「ちょっとだけ」飲んで帰宅した。
 ところが翌日になってテレビをつけたら、韓国代表がイタリア代表を破ったあの劇的で素晴らしい(本当に)感動的な試合の後、歌舞伎町に多くの韓国人、在日の方々が集まって、大いに盛り上がっていたというではないか。
 同じ頃、僕は新宿にいながら、そんなことになっていることをまったく想像できず、同じ歌舞伎町でも真反対側で飲んで、タクシーで帰ってしまったのだ。まったく、なんたる不覚。
 韓国が好きで、歌舞伎町が好きで、あの試合にとても感動していたというのに(おまけに歌舞伎町の韓国ショップに頻繁に出入りしているというのに)、僕は一体どうしてそんなことを思いつかなかったのだろう…

 と思って、翌日のテレビを見た僕はすっかり落ち込んでしまった。
 だって、あれだけの試合はめったにないし、だからこそ、ものすごいエネルギーが新宿の韓国社会には満ち満ちていたはずで、それを感じるめったにない(もしかしたらもう二度とないかもしれない)チャンスを僕はみすみす逃してしまったのだから。
 もちろん誰かに責められたり、怒られたりするようなミスではないけど、僕にとっては言い訳できないほどの大失敗・大後悔。
、この仕事に向いていないのではないかと思うくらいだった。

 そして、今日は朝から車で東名高速をすっ飛ばして、袋井市(じゃないかもしれない)森町体育館での、日本代表監督・選手の記者会見へ行ってきた。
 そこでも僕はものすご〜く腹が立ち、怒りが込み上げてきたりもしたのだが、それについて書き始めると、また色々と大変だし、今日は「ストレス」とか「反省」とか「自己嫌悪」とかばっかりたくさん書いたので、ここでは触れないことにする。

 というわけで、明日はお休み! 一日、うちで過ごせます。
 原稿を書き、銀行へ行ったり、クリーニング屋に行ったり、手紙を書いたりと雑用をこなし、テレビを見たり、マンちゃんとちょっとだけ遊んだり…。なかなか楽しみだ。




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