『プロサッカー選手になるには』
2004年4月刊/ぺりかん社/1170円+税
先月末に単行本が出版されました。
ので、ここで簡単にご紹介させていただきます。
本書は同社の職業別シリーズ「なるにはBOOKS」の第120番目として刊行されたものです。
「120」という数字から察せられる通り、「なるにはBOOKS」は日本最大級の職業ガイドシリーズで、パイロットやスチュワーデスから医師や看護婦、弁護士や外交官、さらにはカメラマンやモデル、お笑いタレントなど、あらゆる職業が網羅されています。
ちなみにスポーツ関連では、ジョッキー、競輪選手、プロゴルファー、力士、スポーツインストラクターなどがすでに刊行済みです。
今回「プロサッカー選手」がラインアップされたということは、「プロサッカー」という業界と、「プロサッカー選手」という職業が、社会的に認知された結果のことだと思います。サッカー選手がただの憧れの対象ではなく、職業として選択するに値する「仕事」になったということ。
そう考えると、Jリーグ創設からサッカーのパブリシティに携わってきた端くれとして感慨深いものがあります。
そんな「仕事」として成立するための「業界整備」の状況についても、本書の中では少し触れています。収入をはじめとした待遇面、プロ選手として日々の生活を充実させるためのサポート体制、さらには引退後の生活(保障)などについてです。
こうした作業は「Jリーグ」という華々しい興行の陰で、粛々と行なわれてきたことでもありました。Jリーグが誕生して10年以上が経過し、ようやく次の世代を迎え入れる地ならしが済んだということです。
いまはちょうど「立ち上げ期」が終わり、将来もっともっと業界が盛り上がり、発展していくために、これから次のステップへ進んでいくという段階。
「次」を担うのが現在すでにプレーしている若い選手たちと、これからこの世界に飛び込んで来る子供たち、そしてJリーグ事務局をはじめとした各クラブのフロントということになります。
本書を書き下ろす過程では、そんなこともちょっと考えてみたりしました。
さて内容。
カバーの折り返し部分に編集の塚本さんがとてもぴったりくるキャッチを書いてくれているので、それを紹介します。
4年に一度、世界中が熱狂するスポーツの祭典があります。
いうまでもなく、ワールドカップです。
テレビで見る人は、のべ400億人に上るといわれています。
そんな世界一の人気スポーツ、サッカーを職業にする、ということはどういうことなのでしょうか。
この本は、プロになりたいあなたへ向けた、応援の本であり、願いの本でもあります。
まさに、そんな本です。
目次は以下の通り。
1章 ドキュメント サッカーの世界へようこそ
大久保嘉人
遠藤彰弘
坪井慶介
川島永嗣
2章 プロサッカーの世界
サッカーの歴史
世界的なスポーツ・サッカー
日本サッカーの現状
サッカー選手の生活
サッカー選手の収入
周辺の人々
3章 なるにはコース
適正と心構え
プロ選手への道
海外への移籍
引退その後
目指す人へのアドバイス
大熊清
上川徹
*蛇足ながら付け加えれば、本書は「サッカー選手」になるための本ではありますが、「サッカー選手」の部分を、他の職業、あるいは何かの目標に置きかえても読むことができるものだと僕は思っています。
その意味では、本書は、何かを「成し遂げたい」とか「実現したい」と思った時には、こう考え、こう実行するんだ、という僕自身の人生観を投影したものでもあります。