夜明けの歌

暁の海。夜と朝との境。
東の海に立てば、水平線の遥か彼方から
一日の始まりを告げる光がやってくる。
はじめは静かに蒼く、やがて黄金色の一筋が射し
それから太陽が姿を現す。
荘厳なファンファーレ。絶対的な輝きとぬくもり、それに活力。
夜明け。そうして朝が始まる。

宵の空。昼と夜との境。
西の空を眺めれば、連山の向こうで
一日が終わろうとしている。
山際を赤く染める夕焼けが、気がつけば紺碧を深め
やがて闇が訪れる。
たおやかな子守唄。安寧、もしかすると若干の後悔と寂寥。
そうして今日が終わる。

東の海から昇った太陽が、西の空へ沈む。
自然の摂理。でも、太陽の、ではない。
地球の、だ。
この星が回り続けているからこそ
日は昇り、日は沈む。一日が始まり、終わり、また始まる。
ひとときも休むことない地球の営み。
そして夜明けは訪れる。

LIKE A ROLLING GLOVE――。
転がり続けよう。立ち止まることなく。
そして暁の海に立つのだ。
目を凝らし、耳を澄まして。

水平線の彼方が、蒼く、黄金に染まるとき
海の向こう側から、かすかな歌が聞こえてくる。
やがて太陽が姿を現す。一瞬の、でも永遠の瞬間が訪れる。
光と熱に包まれて、歓喜の大合唱が響く。
肩を組んだ僕たちが叫ぶ、湘南の夜明けの歌だ。


*本稿は「湘南ベルマーレ ハンドブック2007」に掲載されたものです。