Fリーグ開幕!                 07.9.15

 いよいよ今週末からFリーグが始まる。日本初のフットサル全国リーグだ。
 すでに「やるスポーツ」としてはすっかり定着したフットサル(すでに200万人以上のプレーヤーがいる)。そこに「見るスポーツ」としての魅力をプラスしようというのがFリーグの創設の狙いである。
 そこで、ここで「フットサル」と「Fリーグ」について簡単にナビゲートしておく。

 フットサルの魅力は何といってもスピード感。
 20メートル×40メートルのコートで、まさしく人もボールも激しくスピーディに動く。当然、展開も速い。
 また狭いスペース(相手との距離も近い)でボールを扱わなければならないから、テクニカルで創造性のあるプレーが多い。
 体育館(アリーナ)という密閉空間で行なわれる興奮度も加わり、エンターテイメント性はかなり高い競技である(もしかしたらサッカー以上かもしれない)。

 プレーヤーは5人。選手交代は自由で、インプレー中でもどんどん選手が入れ替わることができる。イメージとしてはアイスホッケーに近い。
 ポジションの呼称は、サッカーのFWにあたるのが「ピヴォ」、MFが「アラ」、DFが「フィクソ」、GKが「ゴレイロ」。
 とはいえ流動性が高いので、実際に試合を見ていてもさほどポジションは気にならない。ちなみにゴレイロに代えてフィールドプレーヤーを入れ、パワープレーを行なうことも珍しくない。

 競技時間は20分。ただしサッカーがランニングタイムであることに対して、フットサルはプレーイングタイム。つまりボールがタッチを割ったり、ファウルがあるたびに時計は止まる。
 そして、サッカーとの最大の違いは「オフサイドがない」こと。つまり自陣ゴール前から一気に相手ゴール前へ、といった速攻が多く見られる。
 もちろん相手に守備を固められれば、その外側でボールを回してパスワークやドリブルで攻めることになる。この点ではバスケットボールやハンドボールに近い競技といえるだろう。

 さてFリーグ。参加するのは「ステラミーゴいわて花巻」、「バルドラール浦安」、「ペスカドーラ町田」、「湘南ベルマーレ」、「名古屋オーシャンズ」、「シュライカー大阪」、「デウソン神戸」、「バサジィ大分」の8チーム。
 チーム名を見てもわかる通り、Jリーグ同様、ホームタウン制を敷き、地域密着を目指す。
 とはいえ(誤解している人もいるようだが)Fリーグはプロではない。一部のチームと選手を除けば選手たちはアマチュア。他に仕事を持ちながらプレーしている(アルバイトが多いらしい)。
 それでも初の全国リーグ創設に合わせて、各地域の強豪チームに所属していた有力な選手の多くがFリーグ参加チームに移籍加入した。その意味では、アマチュアとはいえ、日本最高峰のフットサルが披露される場となることは間違いない。

 無論、不安もある。所属チームは(これもJリーグ同様)すべて独立法人だが、その経営がうまくいくかは不透明。
 とりわけサッカースタジアムと違い、体育館で行なうフットサルではそもそも観客動員がそれほど見込めないため、入場料収入にはあまり期待できない。選手のプロ化に踏み切れなかったのもそのせいだ。
 つまり、各チームがそれぞれにスポンサーを集めて経営を安定させることが、Fリーグにとって最初のハードルということになる。

 そんな中、唯一磐石の体制を持つのが「名古屋オーシャンズ」だ。製薬会社が親会社となり日本初のプロフットサルチームとして発足した。
 資金力をバックに日本代表5人を揃え、加えて強力なブラジル人選手も擁している。来年にはホームアリーナ(フットサル専用スタジアム)も完成予定と、体制面での充実ぶりは他チームの追随を許さない。
 昨年チームを発足すると、いきなり全日本選手権、地域チャンピオンズリーグ、東海リーグとタイトルを総ナメにするなど実力も急上昇。Fリーグ初代チャンピオンの有力候補として注目のチームだ。

 その名古屋のライバルと目されているのが「バルドラール浦安」。前身は関東リーグ初代王者のプレデター。数年前から積極的な補強を行ない、その陣容はスター軍団レアル・マドリードになぞらえて「銀河系軍団」と呼ばれたりする。現在のチームにもリーグ最多10人の日本代表が揃っている。
 今季は世界最高峰のスペインリーグで豊富な経験を持つシト監督も招聘するなど「打倒名古屋」の最右翼といえるだろう。

 この他、前評判の高いのは、前身のカスカヴェウ時代から人気、実力を備えていた「ペスカドーラ町田」、Jクラブから唯一の参加となった「湘南ベルマーレ」あたり。
 とはいえ、なにせ初めてのシーズン。そして初めてのリーグである。前例がない以上、何が起きるかはまったくわからない。
 しかも大会方式は、ホーム&アウェーによる2回戦総当り+セントラル方式の全21節。来年2月まで続く長丁場だ。どこが初代チャンピオンの座に就くか。現時点での予想はあまり意味がないだろう。

 開幕戦は今週末(23日・24日)。代々木第一体育館に全8チームが集まり、セントラル方式で行なわれる。
 まずは日本最高峰のフットサルを「見る」という体験をしてみよう。もしかするとJリーグのオフシーズンを埋める、新たな楽しみを発見できるかもしれない。


*この原稿は「携帯サイト」に掲載されたものです。