9月1日(月)
9月ーっ!
駒沢病院と原稿書き。
9月2日(火)
美樹&えみちゃん@渋谷で夕食。昼間から真面目なことを考えていたせいもあって、マスコミ人は経験だけで仕事をしすぎ、もっと意志的に勉強しなきゃ、とか、ファンとか読者以下の思い入れの作り手は失礼、プロ意識はあるのか、とか、ままごとみたいな仕事してんじゃねぇよ、とか、ろくにビールも飲んでないのに生真面目トーク。真面目なのはいいけど、生真面目は窮屈でどうもかっこよくないと、いつものように反省。
9月3日(水)
午後、湘南方面にて家探し。夜、横浜vs湘南@三ツ沢。三ツ沢球技場で会ったベルマーレのお友達のみなさんに「もしかしたらそっち方面に住むかもしれないからさ」と甘え口調で早めの協力要請。
9月4日(木)
残暑、というより初秋の趣き。いかに冷夏だったとはいえ、夏の後ろ姿を見送るようなこの季節はどこか物哀しい。心残りにせき立てられるような。
20歳の時、そんな焦りからバイクで一人旅に出たことを思い出す。本栖湖で写真を撮り、それをポストカードにして残暑お見舞いを出した。「行く夏に 一人慌てて旅してみれば 微かに浮かぶ富士の陰 見上げた空の青さに 初秋伺い申し上げます」と添えて。
最近物忘れが激しくて昨日のことさえ覚えていないのに、18年も前の拙文はさらりと思い出せてしまう不思議に驚きつつ、いつものように夏の終わりを渋々受け入れながら、来る秋の抱負を想った一日。
9月5日(金)
原稿を書いたり、テレビを見たり、病院へ行ったり、湘南で暮らした場合のことをあれこれ夢想したり。
9月6日(土)
湘南vs福岡@平塚。完敗。いいところない試合だった。にもかかわらず随分悠長な指揮官のコメントに久々に少々苛立つ。勝敗云々はさておき、なんかちょっと違うんじゃないか、とそぐわない思いがしたので。
都内に戻った後、ユミコちゃんと飲み。がっつり飲んでしまって、帰宅は早朝。
9月7日(日)
市原vs鹿島@国立。ファーストステージと比べて市原の質が落ちている、という一部の声を聞きながら、それでもこのチームのサッカーはアクティブで活気があるよと内心で羨む。昨日見てきたサッカーとはえらい違いだ、と。J1とかJ2とかというレベルの問題ではなくて、ゲームの面白さの話として。
試合は先に10人になった鹿島が競り勝つ。どれも完璧ではないけれど、ジェフ、アントラーズ、レフリーが三つ巴になって戦っていて、モメンタムが二転三転するエンターテイメント性の高いゲームだった。内容や出来がパーフェクトでなくても、見ていて面白いゲーム、血沸き肉踊るゲームは実現できるのだ。喜であれ怒であれ哀であれ楽であれ、観客の感情が刺激されるゲーム、それがエンターテイメントサッカーの最低条件だと僕は思う。
深夜、長谷川理恵さんの「北海道マラソン」ドキュメント@CX。市民ランナーとして間違いなくトップレベル、エリートランナーにかなり近い位置まで辿りついている彼女の精神力と自己管理力にまず脱帽。そんな彼女が熱中症で倒れ込み、薄れる意識の中で浮かべた表情は、いわゆるモデル的にではなく人間として美しかった。何より棄権後、彼女が語った一言「みじめだった」に感じ入る。かっこいい。そして最近みじめな思いをしていないなあと省みる。昔はいっぱいみじめな思いをしていたのに、最近そんな場面に出くわさない。それが何を意味してるのか。考えるまでもなく明らかで、「はっ」とさせられた。
9月8日(月)
ビデオに録画しておいた「白線流し・二十五歳」を見る。さらりと始まり、さらりと展開し、さらりと終わる。最近こういうドラマはあまりないのではないか。ましてや2年ぶりのスペシャルなのだ。そんなわけで、もしかしたら欲求不満を感じたファンも多かったのではなかろうか。ちなみに僕はむしろ贅沢なドラマだなあと思いながらエンディングのスピッツを聞いた。
それはさておき「白線」にしても「金八」にしても、時間を重ねてきたことは絶対的な強みなんだよなあ、やっぱり。
9月9日(火)
久々に昼ごろまで起きてて、夕方起床。一昨日あたりからちょっと体調が悪い。胃のあたりが重いというかムカつくというか。
9月10日(水)
完徹で新潟日帰り。が、プラネットブルー号に往復とも便乗させてもらったので楽チン。大変助かる。
日本代表vsセネガル代表@新潟スタジアム。セネガルは相変わらずとってもいいチームだった。
9月11日(木)
午後、打ち合わせ@ストライカー。次号でマッチメイクについて平田GSに取材することになった。
9.11。あれから2年が経った。2年間で世界の景色はすっかり変わってしまったとしみじみ思う。
9月12日(金)
午前、駒沢病院。午後、世田谷区役所にて雑用&交渉など。ちなみに「交渉」は国民健保の修正請求、昨年分21万+今年分(5万円×毎月)について。そんな殺生な、どうかお慈悲を…とものすごくへりくだってお願いしたのだが、担当の女性はまったく要領を得ず、それどころかあっという間にいっぱいいっぱいになってしまって……。笑顔で穏やかに御相談しているのに、自分で勝手にテンパッていき、怒るか泣くかに辿りついてしまう人(特に女性)は超苦手だ。あれではまるで僕が彼女を苛めているように見えてしまう。もちろん何も解決しないし。
9月13日(土)
昼、浦和vs横浜@埼スタ、夜、FC東京vs市原@味スタ、深夜、居酒屋@新宿、未明、田中くんと吉野家経由で帰宅。
9月14日(日)
昨日開幕のラグビートップリーグをビデオで確認。スペクタルに、の意識が強いせいか、プレーがちょっと軽い気がした。ちなみにオープニングセレモニーは93年5月15日にそっくりだった。全国リーグ創設→ワールドカップ出場→ワールドカップ招致という流れも、この十年間サッカーが歩んだ道と似ている。でも30年来のラグビーファン(サッカーなんぞよりずっと古い)である僕には、ああいうのはラグビーには馴染まないのではないかと思えてしまう。ラグビーらしさを不必要なパッケージでスポイルしてしまうのは惜しいと思う。
9月15日(月)
阪神優勝。道頓堀の映像などを見ながら、大阪はラテンだなあと改めて。実はついこの間、「ヨーロッパのように都市国家ではない日本ではそもそも対立意識なんてないわけで(薩摩と会津は除く)、別に無理矢理スポーツを地域で収斂していくことはないのではないか。ロイヤリティも対抗意識もない日本では無理があるのではないか…」なんて知人と話をしたばかりだったのだけど、大阪対東京なら成り立つかも、と思い直す。
それにしてもすごい光景。ついこないだまでサッカーマスコミではヨーロッパや南米では地元チームの勝利や敗北に街がこんなになるんだ、と喧伝していたのだけど、外国の例をひくまでもなかったのだ。「若者が調子に乗ってるだけ」という批判もあるが(確かに「ヤッター!18年ぶり!」と叫んでいるおまえは18年前何歳だったんだ?と思わないではないが)、そうはいってもヨーロッパだってピュアサッカーだけで盛り上がっているのではないのだ。なにより道頓堀のお店が早めにシャッターを下ろしたなんて、まさしく向こうと同じ。もう少し本格的になると、シャッターを閉めるだけじゃなく、ベニヤ板を打ちつけてお店を守ったりするのである。
9月16日(火)
このところ「実写+再現ドラマ」という手法のドキュメンタリードラマが多い。あれから1年ということで各局放送している拉致&北朝鮮絡みの番組でも頻繁に用いられている。昨年、「スーパーテレビ」@日テレで桶川ストーカー殺人事件をやって以来(だと思うが)、やっぱり、という感じ。可能性感じたもんなあ。ノンフィクションのジレンマを上手に解消するやり方として。
ノンフィクションの良心を守りつつ、限界を越えるこの手法、今後ますます増えると思われる。「良心守りつつ」というところがものすごく大事なことは言うまでもないが。
9月17日(水)
散髪。美容師、中村くんの紹介で、車検も同時に解決。。
9月18日(木)
湘南方面、家探し。かなり気に入った物件を発見。さてさて……。
9月19日(金)
夜10時から日付が変わった頃まで「10」「6」「4」と某党総裁選絡みのニュース番組をはしご。「10」ではカメイが相手を間違えてクメさんに逆ギレしてしまって、コイズミは余裕で高みの見物。フジイ、コウムラも含めて、結局、「6」のノナカほどの迫力はないんだよなあ、どっちにしたってジミントウを批判・非難・告発はできないんだからと思いながら見ていたら、「4」でカメイがやってくれました。党内の「卑怯な」集票圧力を告発。派閥は違えど、自分も所属している党だということをすっかり忘れてやしませんか、というお節介はさておき、デストロイヤーとしてはもしかしたらコイズミ以上かも。実は卓袱台ひっくり返すパワーではコイズミに一目置いていたのだけど。
でも、まあ、こういう対立構造を作り出し、露呈してしまえるところがコイズミのすごいところなわけで。その意味ではやはりコイズミの掌の上って感じがしないでもないな。しかも総理総裁の器に見えないところがカメイの悲しいところで。チャレンジャーのうちはともかく、領袖になったらいかにもな権力者になりそうな気がするんだよなあ。
それにしてもコウムラ曰く「本当は政策を大事しなければならない。でも、まだそこまで来てない」って、いままで何やってたんだ。「私は政策持ってます」が売り文句になるのも何とも不思議な話わけで。そんなことは当たり前なわけで。ジミントウてゆーか政治家ってホント村社会で生きてきたんだなあ。アオキがコイズミについたのが「不可解」と言うけど、村の外から見ればセンセイたちの語る文脈そのものが不可解なわけで。
そんなこんなで「?」とか「!」とか「(爆)」とか、なかなか楽しい総裁選前夜のニュース番組であった。できることなら永田町村の百鬼夜行を生き抜いてきた卓越した駆け引き能力を外交でも発揮してもらいたいものだが、あくまでも村限定の才能だからなあ。内弁慶の人って、ホント外に出るとダメになっちゃうんだよなあ。惜しい。
9月20日(土)
夕方5時ごろ起床。雨。渋滞。横浜FMvs清水@横浜国際。肌寒い。大きな台風が向かってきているとのこと。これが過ぎればもう完全に秋だろう。
浅田、岩澤、それにイオレの岸さんとジョナサン@新横浜。2時ごろまで。浅田、岩澤を落として帰宅。さすがに眠くない。ベルマーレのマッチデーを書いて、結局朝まで起きてた。
9月21日(日)
朝寝て、夕方起床。ずっとテレビの前。台風情報でしきりに八丈島を暴風域に巻き込み…との文言。無性に気になる。一度行っただけなのだけど。
その八丈島とも無関係ではないのだけど、先日気に入った家に引越することにした。やっぱり海沿いに住みたいという欲求は抑えがたく。部屋もほぼ思い描いていた通りだったし。
「思い描いていた通り」というのは、立地的にも周囲の雰囲気的にも間取り的にも経済的にも、ほぼ思い描いていた通り、ということ。「パーフェクト」なんてものがこの世に、少なくとも自分の周りでは起こりえないと思っている僕にしてみれば、「ほぼ思い描いて通り」は「パーフェクト」とほとんど同意。もちろん、そこでの暮らしも「思い描いている通り」になるかどうかは、まだわからないけど。
ちなみに僕にとって十数回目の引越になる、でも、これまでとは全く意味の違う、初めてのパターンの引越である。さて、どうなることやら。楽しみなような、ちょっと不安なような……。
9月22日(月)
昨夜から家の中をうろうろしながら、引越の段取りを考えたり、いらないものを片付けたり。引越はとても面倒臭い作業だけど、やっぱり僕はこの手のことが好きなのだと思う。面倒事をうっとおしがりながらも、その一方で実は楽しんでいるもう一人の自分がいるのだ(これは他のジャンルでも同じ)。
そんなわけで朝まで家の中をうろうろし、早朝からファミレス、駒沢病院、渋谷ハンズ&LOFT(当然家具とか収納用品に目が行ってしまう)などなど。
9月23日(火)
夕方、土佐清水から東京まで自転車で行く小学生(しかも友達を作りながら!)のドキュメンタリーを見る。なんだか無性に泣けてしまった。小学生と38歳だけど、俺がやりたいのはこういうことなんだと思った。
9月24日(水)
寒い。いつものように短パン、Tシャツでドアを出た瞬間、無理だと悟って着替え直した。
9月25日(木)
午後、電通経由でCXへ。顔合わせ&打ち合わせ。
夕方、光文社。ものすごく久しぶりに有楽町線護国寺駅を下車。ホーム、階段、道々、すべて懐かしい。随分変わったような気もするし、まったく変わってないようにも思える。新雑誌開発室で雑談の後、近くで御馳走になる。ちょっとしか飲んでないのに、とっとも心地よく酔ってしまったのはやっぱり懐かしさのせいだろう。
そんな僕がまっすぐ帰宅できるはずもなく、みなさんと別れた後、一人で歌舞伎町。月夜野が(ママのさぼりで)まだ開店していなかったので、雑居ビルの階段で缶ビールを飲みながら待ち、それでも帰ってこないので、これまた久しぶりにゴールデン街へ。
洗濯船。何年ぶりかなあ。口には出さなかったけど、ゆっこママは僕が初めてこの店とこの街に来た20年前と、まったく変わっていない気がした。僕は(外見も環境も人生観も)ものすごく遠くまで流れたというのに。それでも僕は心のどこかでここを東京の故郷だと思っている。だからこそ、落ち着かなかったりするのだけど。あ、そういえばママが何気なく使っていたマグカップが、僕が十数年前にプレゼントしたものだった。初めての海外旅行でロサンゼルスに行った時に動物園で買ったやつだ。これもわざわざ言わなかったけど、ちょっと嬉しかった。
その後、ようやく開店した月夜野に戻って飲む。珍しいことに、僕にしては本当に珍しいことに、あまりよく覚えていない。帰りはケイコちゃんに送ってもらった(と思う)のだが、それもよく覚えていない。まあ、なんせとても心温かく、ちょっと切ない、素敵な夜だった。
9月26日(金)
午前、平田竹男@JFAハウス。平田GSにはマッチメイクについて取材。が、僕はどうにもこうにも頭に霞がかかっていて、いまいち冴えない。その時は気づかなかったのだけど、どうも二日酔いだったらしい。にもかかわらず、取材中だけキュルキュルと頭が回転した自分を見直したりする。取材の前後は本当に人として使いものになってなかったけど。
ついでにサッカー協会新ビルを案内してもらう。広い。「空いてるフロアの隅っこに僕が隠れていても1週間くらいはバレなさそうですね」と感嘆まじりの感想を述べておいた。だだっ広い社員食堂でカレーを食べて退散。
夕方、原監督辞任会見@日本テレビ。よくチームを私物化しているとか、していないとかいう論議があるが、ナベツネ氏にとっては紛れもなく巨人軍は私物なのだなあと妙な感心。企業も私物であり、球団も私物。そんな前時代的な本音を包み隠ず堂々とさらけ出す読売と巨人軍に対してノスタルジーを感じてしまった。
9月27日(土)
うちでJリーグをテレビ観戦。あとは片付けと原稿書き。
9月28日(日)
今日も原稿書きと引越の下準備。
9月29日(月)
高田明和@両国。「ビジネスマンに必要な考えるチカラ」について脳外科の立場からの話を聞く取材だったのだが、どうも脱線気味。というか、ポジティブシンキングとか生き方論みたいな話に収斂してしまって、どうなんだろう、こんなんでいいのだろうかと首をかしげながらの取材。打ち合わせ不足(というかゼロ)だったので、突っ込むべきかどうかもよくわからなかったし。やっぱちゃんと打ち合わせしないとダメですよ、と取材後、遠まわしに編集氏に言っておく。
9月30日(火)
新居の契約。不動産屋さんとの相性がとても重要だと痛感した今回の家探しだった。ちなみに新居を発見した辻堂の不動産屋さんはアットホームで、なおかつしっかり者。信用できるし頼れるという僕の希望を十分満たしてくれる人々だった。
契約の後、車で積んできた荷物を新居に運び込む。実はいま住んでいる三軒茶屋の家が「2ヶ月前通知」だったので、僕は2ヶ月間二重家賃を払わなければならなくなってしまったのだ。大失態だ。でもうじうじ悩んでも悔やんでも仕方ないので、これからちょこちょこ自分で荷物を運び、引越代を少しでも浮かせることに。なおかつ、2ヶ月間、2軒の家を有効に使うつもり。
INDEXへ