
2009年2月
2月1日(日)
浅野さんが取り組んでいるスペシャルオリンピックの関係で、フロアホッケーの練習にお邪魔する。指導するとか、お手伝いするとかというより、俺も一緒に遊ばせてもらおうと思って。学校時代に体育館でサッカーやったり、掃除用具でホッケーしてたりしたことを思い出して楽しい。練習方法見てて、いまの足元パスではなく、スペースへパス出す練習したら、もうワンランク上で楽しめるようになるなあなんて感じたり。どんなことでも、どんなレベルでも、スキルアップやレベルアップはできるのだ。
が、最後のゲームのときに、パックを前に出して加速しようと踏み込んだ瞬間、左足太腿がビキッ。ハムストリングをやってしまった。また肉離れ。せっかくそろそろ走り始めようと思ってたのに。ふくらはぎみたいに10年くらいロクに運動できなくなったらどうしよう。暗い。
湘南×フィンランド。代表戦で来日したフィンランドの練習マッチ。反町監督の初采配。1×0。フィンランド、しょぼい。代表戦への期待も萎む。
浅田くんとメシ@夢庵。ついでにサティと買物。
マイクロソフト杯。東芝×三洋@テレビ。テレビジョンマッチオフィシャル採用。ビミョウ。
2月2日(月)
足、まったく動けない。暗い。肉離れは一度やると再発防ぐのは困難だが、それでも今回はある程度の知識と経験があるのだから、できるだけっちゃんと治そうと努力する。ふくらはぎのときはよくわからなくてナメてた結果、完治できないままになってしまったので。
スーパーボウル@テレビ。インターセプトからのリターンTD(100メートル!)あり、最終Qでは残り2分で逆転、しかし残り35秒で再逆転とドラマチックな展開の末、ピッツバーグが優勝。それにしても……日テレはひどい。絶叫どころがズレてて間抜けな実況でシラケる。ルールわかっている人を起用してほしい。野球と駅伝以外は日テレのスポーツ実況は聞くに堪えない。
2月3日(火)
「サウスバウンド」(森田芳光)。こないだ森田監督にインタビューしたときに、小説の全編を2時間でやるのは厳しいのではないかと尋ねたのだが、やっぱりちょっと足早な印象。特に僕は小説の東京パートが気に入っているので。もちろん東京パートだけではサウスバウンドにならないのだけど。「違うと思ったらトコトン闘え、負けてもいいから闘え、人と違ってもいい、孤独を恐れるな、理解者は必ず、いる」
TOTOの女子バスケが関東実業団3位で全国大会へ。工場社員と近隣選手合同のクラブチームとのこと。この手のチームが各地で活動してるし、どんどん増えている。Jサポで「この地域にスポーツ文化がない」とか大声で叫ぶ人たちはもう少し「地域」と「スポーツ」に関心持った方がいい。要するに自分が応援しているチームにしか興味がない人が多い気がする。
2月4日(水)
母、検査。抗がん剤の効果でマーカー自体は下がってきたとのこと。何はともあれよかった。手術は2月27日の予定。
日本×フィンランド@テレビ。岡崎2ゴールで4対1。そりゃそうだよな。
ハムストリングのリハビリ開始。ものすごく地味で、ものすごく経度なのでつまらない。でも今回はちゃんとやって、できるだけちゃんと治す。「正しいトレーニングをすれば、正しい筋肉がつく」(井村雅代)。
老いや死が、確かに身近にある実感。そして自分自身の残り時間も有限なのだという実感。寝付けず。
2月5日(木)
結局コタツでウトウトしただけで起床。
サンスポのヨガ取材で@多摩プラザ。帰りにインプレッション@駒沢。カットとカラーリング。中村くん、佐藤さん、カッキー、それにお客さんとかと話して少し気分が軽くなる。ついでに駒沢でパーカー購入。
「存在」には救いがある。存在すれば、それがどんなものであれ救いは必ずあるのだ。「不在」には、ない。
2月6日(金)
ここ数日寒気がする。風邪か?
「Little DJ」(永田琴)。神木、福田真由子の両子役と、周りの大人たちの丁寧でやさしい映画。「男ってのは好きな女を忘れられないようにできてるんだ。3年はかかる」「……さんも?」「バカ野郎!俺なんて20年だ。いまだに勝手に聞こえてきやがる」
体重が72.2キロ。人生最重量だ。
2月7日(土)
企業の決算報告相次いだ今週、赤字、赤字、赤字……。そして大失業時代到来。その第一波、派遣切り。矛先は無論、企業ではなく政治に向くべき。企業はルールに則っているのだから。問題は制度にあり、責任はその制度を作った政治にある。
夜中、ヨガの原稿。
ハムストリング。痛みが薄れてきているのがわかる。嬉しい。
2月8日(日)
完徹。セブンのバイトちゃん、フルハタさん、試験も終わり、いよいよ就活スタートだとのこと。いまはちょうど説明会真っ盛りなのだそうだ。厳しい環境だが、頑張れ。
田中姿子@ビーチバーク、Fリーグ@体育館など平塚をうろうろ。
夕方帰宅、弁当を食べた後、まったく意識なくスjトン。そのまま寝ればいいのに、2時間くらいで目が覚めて、目が冴えて、結局朝まで。
2月9日(月)
煙草を買いに自転車屋さんへ行っただけの一日。しゃべったのもおばちゃんだけ。
2月10日(火)
高校教師@TBS再放送で、真田広之が腕立て伏せやらされてるのを見ながら、小学校の時に斜め懸垂を頑張ったのを思い出した。あのとき歯を食いしばりながら睨みつけていた体育館の時計まで覚えている。力が強かったわけではないが、根性はあった。マラソン大会もそういうこと。結局、根性と努力でここまで来たのだ、としたらいまのこの怠惰な日常の先は……。
「職業“詐欺”」@Nスペ。今日の金に困っている奴は1日5万円と言われれば、犯罪も厭わない。
2月11日(水)
ワールドカップ予選・日本0×0オーストラリア@横国。アジアの強豪とヨーロッパの中堅のゲーム。そしてヨーロッパの中堅の方が強いという事実。ミックスゾーンでのガタイの違いにもはっとする。
帰宅後、食事、あっという間にコタツでウトウト…でも30分くらいで目が覚め、今度は目が冴え…。
人生は日めくりみたいなもの。はじめはあまりにも分厚くて、その枚数を意識さえしない。でも確実に一日一日減っていく日めくりなのだ。半分を過ぎた頃に初めてそれが薄くなっていることに気付く。40代とか50代くらいか。そして徐々に残り枚数が気になり始める。老いとはそういう意識のことだろう。
しかも、この日めくりは、あと何枚か、残りの枚数がはっきりとはわからないのだ。ある日、気がつくと最後の1枚だったと…。
2月12日(木)
小泉元首相が麻生総理を批判。郵政民営化だけでなく定額給付金にもクギ。大政局へ。自民党のみならず民主の面々も顔が引き締まっている。無論、国民からすれば大でも小でもいいから、早く政策論になってほしい。
海まで+海辺をウォーキング。決して走らないように気をつけて。1キロ10分くらいかけてゆっくり歩く。じっくり時間をかけて後遺症が残らないように。
「シンクロのコーチなんて難しくない。学校の先生は目的のない子に目的を持たさなきゃいけないわけだから」(井村雅代)。井村もソフトの宇津木も根性座ってる。優れた女は覚悟がある。
2月13日(金)
春一番吹き、その後雨、その後ぬくい空気。
ベルマーレソフトボールの相馬投手@平塚信金。取材後、服部さんにトンカツを奢ってもらう。
田中から久々TEL。仕事か!と期待するがそうではなく。でも、大した用事でもないのに電話してくれる気持ちが嬉しい。
母からTEL。「早く帰ってこなくていいからね。ぎりぎりでいい。仕事に影響ないように」。
節目に来ている気がする。母の病気はそれを強調しているだけ。俺自身のこの人生をこの先どうするか、を考えるタイミングが来ている、そんな気がする。
2月14日(土)
暑いくらいに暖かい。
ワールドカップ予選・ウズベキスタン0×1バーレーン。ウズベキは強敵になるポテンシャルあった。負けてくれてラッキー。
ウォーキング。海まで+サイクリングロード2キロ。暖かいので小走りしてみるが、やっぱり全然ダメ。力が入らない漢字。海は波サイズあり、サーフィン盛り上がってる。うらやましく眺める。
「初雪の恋」。冬ソナ風韓流映画。宮崎あおいが勿体ない。
富島健生と彼の小説の主人公が甦らせる「青春」のせいで眠れず。
2月15日(日)
@セブンイレブン。早い時間によく会うバイトさんもフルハタさん。もしかして母娘か。
WBCメンバー宮崎入りで、空港にファン殺到。サッカーでは最近見ない光景。野球は体格いいし、オーラもあるし。そのへんの兄ちゃんと明らかに違う。
中川大臣、G7で妙な会見。呂律回らないし、目もうつろ。飲酒か? ありえない。信じ難い。
2月16日(月)
中川大臣「イタリアですから赤白のワインがあって…」。苦しい弁明。弁明としては苦しいが、確かにヨーロッパではビジネスの場でもアルコール置かれていることが珍しくない。スタジアムのプレスルームなどにもバーカウンターあってビールやワインが出る。無論、だからといって仕事ができないようになってはいいわけではない。
2月17日(火)
中川大臣、朝、昼、夕と二転三転のあげく辞任。
MAREのコラム原稿。世代について書いたので「星屑たち」を参考のため読み返したら、泣いてしまった。文章は冗長だし、誤植も多い。でも確かに、熱はあった。
箱を開けたら、そこに一回り小さな箱、それを開けたらまた箱…そんな繰り返しの末に、最後には小さな小さな箱に辿り着き、もちろん中には何にも入ってない…そんなもんかもしれない、人生の意味って。
2月18日(水)
未明、「学生作家の群れ」(富島健生)読了。午前終身、昼起床。
中川大臣ヘロヘロ辞任。朝日は妙に扱いが小さいと思ったら、「一部の新聞記者も共に飲酒」と毎日新聞。そういうことですか。ちなみに「当社の記者は飲んでない」らしい。
レオからTEL。「鳥の図鑑着いたよ」。
訪露中の小泉元首相「定額給付金の衆議院での再可決には欠席する」。中川辞任で壊滅的な政権にロシアからダメ押しのミサイルが飛んできたようなもの。それにしても麻生。イエローカード数枚出され続け、レッドカードも出てるのにグランドから去らない。無論、時間の問題だけど。
一方の小泉家も間もなく4代目への世襲予定。
2月19日(木)
大事なものを気づかずに手放したり、意志的に捨てたり、そのくせ後になって何とか取り戻したいと探し回ったり…こんなふうに抱きかかえたり、失ったりの繰り返しが生きていくことなのだとしたら、切ないな。
夜から朝、MAREの原稿。
2月20日(金)
鬱病では、と言われ、そうかもなあと心配になり、明日泊まってあげると言われ、ん、いや、いいよ…と口ごもる自分に、鬱病ではない、大丈夫だと安心する。
2月21日(土)
ウォーキング3キロ。ちょっとl小走りしてみるが、怖い。ラインサポーターはめて。
マナフードのヨシコちゃんとクリエイトでばったり。家族連れで「主人です」なんて紹介され、なんか不思議な気分。
「包帯クラブ」(堤幸彦)。映画の方。柳楽くんすごい。松田優作になれるかもしれない。あと音楽がいい。ハンバートハンバート。
政治と政治家は、もはや尊敬の対象でないばかりか、羨望や嫉妬の対象でさえなくなった。蔑みと憐みと、そして諦めと対象。シラケきっている。
2月22日(日)
確定申告の準備。
長嶋茂雄@サキヨミ。不自由な口で時折パッと笑顔。太陽だ。目にしてるだけで心が躍る。涙も出そうになる。
手作り家具、TRUCK。いい。FK SOFA、41万円。いつかほしい。
2月23日(月)
「おくりびと」。アカデミー外国映画賞受賞。滝田洋二郎、アダルトからアカデミー。「コミック雑誌なんていらない」が懐かしい。
午前、藤沢税務署で確定申告。
午後、北村晴男@赤坂。
定額給付金12000円。1ヶ月1000円だ。そんなはした金出、しかも元々は僕たちの金で、懐柔されたりなんかしたくない。この際、全員が辞退したら面白い。それこそがもっとも強力なパンチだ。
2月24日(火)
帰福。福岡空港からの地下鉄で、隣になったナイジェリア人の女性と。九大医学部に留学しているのだそうだ。そして母国には子供が3人いるのだそうだ。
夕食はすき焼き。母の心尽くし。自分が病気なのに。母はずっとしゃべっている。病状について、治療について、ガンという病気について、これまで一人で抱えてきたことを俺に伝え、知っておいてほしいのだろうと思う。そして今後の判断材料やサポート情報にしてほしいのだと思う。それだけ父が便りにできないということでもあるのだろうとも。
それにしても母、詳しい。インターネットや本、それも図書館で借りてきている本などで勉強している。すごい。勉強熱心さも、節約というスタイルを自分自身が患者になっても崩さないのも。追い込まれているだろうに。本くらいお金使えばいいのに、と思って切ない。でもそれが母のスタイルなのだ。
ちなみに胃全摘患者の会にもすでに入会済み。用意周到でもあり、性急な気もする。それも母らしい。
ホットカーペットでウトウト。起きて腹筋100、腕立て50、それにチューブをこわごわ。
2月25日(水)
午後、母、浜の町病院入院。
素子と一緒に出て、インターナショナルスクール、百道小学校と回る。レオはこの後、日本の普通の小学校に通う。担任は大森みほ先生。その後、レオと遊んで、晩御飯も御馳走になって、夜、歩いて帰宅。25分くらいだった。
昨日同様、リハビリ。ハムストは小走りできるが、触れるとやっぱりしこりになってる。
2月26日(木)
午前、リハビリ。愛宕神社の階段を昇り、坂道を下り。途中ちょっとだけ軽くジョグ。愛宕神社の狛犬、献上者「麻生太吉」。
午後、病院。外科、麻酔、内科と手術についての説明。内科医からのリスクの説明が冷たい。
2月27日(金)
9時から手術開始。手術室に入る前の母は、天井を見据え、声をかけてもほとんど反応できない。緊張か、恐怖か。
父が焦れて落ち着かない。じっとしてたり、待ったりすることができないと母から聞いていたが。ウロウロ、セカセカ、そのうち文句を言い始めるので困る。別にここで待ってなくて、外に出ててlくれてもいいんだけど、とは言いにくくし。
6時間後、手術終了。母は見たこともない姿で痛がっている。まるで幼児のよう。冷静だったが平静ではいられなかった。そんなときに父は「もういい、帰るぞ」と痛がってる母を横目に。「俺はもう少しいるから」と言うと、何だか知らないが怒って出て行ってしまった。あんな母の姿を目にしたくなかったのかもしれないと、やさしい解釈でもできないではないが、あの短気っぷりは悲しい。
しばらく母に付き添い、あっちを撫でたり、さすったり。結局、看護婦さんを呼んで麻酔を入れてもらって母は眠る。
智ちゃんと奥さんの明子さんと、おばちゃんに会いに。久々。その後、智ちゃんと鉄鍋食べて、マックカフェ。
2月28日(土)
病院へ。母、昨日とは別人。痛みはあるのだろうが、落ち着いている。治ったら小学校から順に友達を訪ねる、なんて話す元気も出ていて、ホッ。
午後、HCUから病室へ。夕方になって個室が空いたのでさらに移動。担当看護師のタチバナさんもお父さんが腎臓がんの手術をしたのだと、母が教えてくれた。病気をしたことで母はそれまで知らない世界を知り、それまでとは比べようもないほど多くの人と出会っている。
浜の町病院を出た後、天神をぶらぶら。いつまで経っても懐かしい。