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 日本代表 2対1 北朝鮮代表  @埼スタ  05.2.9


 ドイツワールドカップ・アジア最終予選の緒戦。
 グループ内でもっとも戦い易い相手とのゲームだったが、薄氷の勝利。
 試合後の感想は「勝ち点3をとれてよかった」と「こんなんで勝ち点3とってしまってよいのか」、それから「ジーコの神通力の凄まじさ」と「一体この2年半の間、何をやってきたのか」。

 以前から指摘されてきたことではあるが、現在の日本代表に「組織」はほとんどない。前任者が築き上げてきた(これが「押し付けてきた」という感じだったからこそ話がややこしく、しかもモラトリアム状態を長引かせてしまったのだが)「オートマティズム」と比較すれば、現状は「自由」どころか「バラバラ」である。
「組織」という点では、明らかに北朝鮮の方が上だった。
 そして、「個人」では上回っている(はずの)日本が、結果的にそんな北朝鮮に押されてしまった(引き分けはもちろん、負けても不思議ではなかった)。

 つまり、日本の「個人」は、北朝鮮程度の「個人」でも「組織」をもって戦われれば、苦戦する程度の優位性しかないということだ。
 それでもワールドカップに行けないことはよもやあるまい。アジア「4・5枠」を考えれば、ドイツへはまず間違いなく出場できる。
 しかし、日本と互角の、あるいは日本を上回る「個人」と対したとき、いまの日本代表は成す術なく敗れ去ることになる。
 問題は「成す術なく」というところだ。
 この10年、ようやく「世界」と対峙できるようになった日本代表チームは、その戦いで一矢報いるために「成す術」を懸命に模索してきた。

 要するに「個人」で叶わないなら、「組織」で対抗しようとしてきた。
 しかも、日本人は体系的に物事を捉え、インプルーブしようとする国民だから、「組織」を鍛えるとともに、「個人」のレベルアップにも邁進してきた。
 その結果、アジアにおいては「個人」においてもトップランクにまで成長してきた。

 でも、だからと言って、ここで「組織」を省みなければ、手痛いしっぺ返しを浴びるだけだ。「しっぺ返し」だけならいいが、10年近くかけて、少しずつ昇ってきた階段を一気に転落することになる。
 そうなったときに持ちこたえられるほどの「個人」でもない。おまけにいまの日本代表選手ほどの「個人」(というより素材)が今度も揃い続けるわけではない(当分ないだろう)。

 今日、日本代表は勝利を飾り、勝ち点3を挙げ、順調なスタートを切った。ワールドカップにも行けるだろう。
 でも……と思わずにはいられない一戦だった。


           川口

      田中  宮本  中沢

  加地   遠藤    福西  三都主

           小笠原

       玉田    鈴木
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
        10     21

      7              8
           15    17
  20
       5    2    14

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 それにしても、すごい。何がすごいって、テレビである。
 何と、日本とは別のA組の試合まで一般ニュースが報じている。韓国はもちろん、サウジ、ウズベキスタンの同点ゴールまで映像が流れる。対戦するわけでもないのに、だ。
 すごいことになった。もちろん、これは斜に構えるべきことではなく、喜ぶべきことなのだが(その割に「サッカー」そのものについては極めて扇情的に伝え続けることには違和感あるが)。