interview

 田邊伸明@渋谷      05.4.15


 セルリアンタワーのラウンジにて、今秋刊行予定の「スポーツ業界で働く」の取材で話を聞く。
 稲本や松井の代理人として有名な田邊さんは、一方で中澤(ヴェルディ→マリノス)、山瀬(レッズ→マリノス)などの移籍でサポーターから非難の矢面に立たされた人物でもある。
 僕自身は、彼がまだ代理人となる以前、ジェブで働いていた頃からのお知り合い。当時は電通内に机があって、トヨタカップなどの運営をやっていた。
 ちなみに田邊氏は、芸能界に君臨するあの田辺エージェンシーの姻戚でもある。

 田邊氏の原点は北澤との出会い。Jリーグが誕生し、ホンダから読売ヴェルディ(当時)に移籍し、時代の寵児の一人となった北澤のマネージャーを務めたことが、それまではどちらかといえば運営(イベント)畑の人であった彼を、マネジメント・エージェント(サッカー)へ邁進させるきっかけとなり、モチベーションともなった。
 つまりイベント→サッカー→その中でも「選手」へと興味の対象が変わっていった結果、FIFA公認ライセンスを取得し、現在に至る、ということなのだと僕は理解している。
 したがって「代理人」とか「エージェント」とか、どこかいかがわしく物騒な肩書のつく彼ではあるが、実際には選手(というより人間)への愛情が強い人、という印象が強い。

 ただし、愛情とはいっても、「甘やかし」ではなく、「厳しさ」というあたりが、田邊氏が選手に信頼され、人気がある要因なのだと思う。
(サッカーに限らず)一流選手は、気がつくと「周囲が味方ばかり」という状況に陥りやすい。そんな味方が発する「おまえは悪くない」「監督の方が悪い」と偏った身内的意見が、甘えにつながり、成長を阻害する結果を招くことも少なくない。
 むしろ、「いまのおまえのプレーではダメだ」という叱咤激励や、「監督がおまえではなく、○○を起用するのは当然だ」といった客観的な評価を、直言してくれる人間が周囲にいることこそが、その選手の将来を輝かせることが多い。
 要するに耳の痛いことを「直言」できる信頼関係、を結べるかどうか、そこが田邊氏のような仕事の成否を分ける必要最低条件ということになる。
 
 今回の取材では、田邊氏が現職に至るまでの道程や、その道程で感じていたこと(前述のモチベーションのあたり)、さらには余談としての裏話なども披瀝していただいた。
 また(これは僕も知らなかったのだが)ベルマーレの高田保とも契約しているとのこと。